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5−4 対讀賣 完勝が辛勝に変わるきっかけ
 6回を終わって、5ー0。
 大山、サンズに一発が出て、小幡にもタイムリー。
 これまでやられた戸郷をKOして、意気あがる展開。
 あとは、これまで完璧なピッチングをしてきた西の完封を願うだけ、そういう展開だった。

 それが7回の先頭の亀井のセカンドゴロを小幡がファンブルし、生かしてしまう。
 ここから、全てが暗転していく。
 岡本の前にランナーは出したくないところ。
 ここをエラーで、無死のランナーを背負うことになった西の心中を慮られる。
 まして、若手の小幡のエラーだ。
 これをカバーしてやらなくてはという余分のプレッシャーも加わり、西のコントロールを狂わすことになる。
 内角を狙ったシュートが、真ん中に入る。
 岡本がこれを痛打し、無死1、2塁にピンチが拡大した。

 その後、丸にタイムリー、中島は討ち取ったものの、大城にタイムリーを打たれ、2点を献上。
 1死1、3塁で重信という場面、3ボール、ノーストライクから、内角のシュートが外角へと流れる球を打って出た重信の一撃がゲッツーになったおかげで、この回は2点で終わった。
 西の球数、86球で迎えたこの回、終わるときには103球を数えていた。
 小幡のエラーで、西は球数以上にこの回で疲労することになった。

 小幡のエラーがなければ、この回のピンチは、さしたる事なく過ぎたのではないか。
 岡本への1球ももう少しちゃんとコントロールできていたはずだ。
 西は、完封ペースから、8回までという状況に陥った。
 本来なら、この5−2というスコアで押し切ってしまいたいところ。
 8回をガンケルなり、岩貞、岩崎なりでスアレスに繋ぐことも考えられるが、13連戦の投手起用、6回までの西のピッチング、7回が小幡のエラーに起因している事など、諸々の事情で、8回も西の続投になる。

 一度リズムを見出した西は、この8回にそれまで完璧に封じていた坂本に打たれ、この回の不安を感じることになる。
 7回から、余計な力みを加えたことで、それまでの完璧と言っていいコントロールが微妙に乱れ始めていた。
 坂本に打たれた1球も、真ん中に入ったスライダーだった。
 松原は討ち取ったものの、亀井に打たれ、2死1、3塁で岡本を迎えることになる。
 ここで、代走増田に2盗を許し、岡本に2点タイムリーを浴びることになる。
 亀井の時点で、120球。ここで代えるべきだったかもしれない。 
 亀井は、エラーとは言え、前の打席で出塁し、そのあと岡本も続いて、対西に良い印象を持ち始めたところ。
 西の疲労を考えると、いっぱい、いっぱいだったと考えられる。

 次の丸に対する力はもう残っていない西に代えて、スアレスを回跨ぎで突っ込むことになる。
 結局、スアレスが丸を討ち取り、9回も完璧に封じて、勝つには勝った。
 ただ、6回までの完勝ムードが吹っ飛んで、なんとか勝ち切るという辛勝になったのは、全て小幡の簡単なミス。
 タイガースのエラーに比べて、讀賣はその三分の一である。
 それが、そのままゲーム差に現れていると言っていい。
 
 タイガースは、主軸が打って、エースが投げて、最高のシュチエーションの試合になるはず。
 それが、一つのミスがきっかけで、あわや逆転されるのではないかという恐怖を味合わさせられることになる。
 これを肝に銘じて、守備練習に精進してもらいたい。
 つまらんミスを撲滅しなくては、讀賣との差は縮まらない。

 ぐぁんばれ!タイガース
| 房 寅吉 | 阪神タイガース | 22:28 | comments(0) | - |