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3−6 対東京ヤクルト CSファイナル 第3戦 イチ(1位)が欠ける!
 もう、笑うしかなかった。
 たったの1安打で5点を失う、ドタバタの新喜劇を見るような試合。
 ヤクルトベンチでは、みんな嘲り笑っている。
 その光景をタイガースの選手は、みんな焼き付けとかなくてはいけない。
 嘲り笑われた悔しさを晴らさないといけない。

 もう、何度も書いていて、言い尽くしたんだが、練習は嘘をつかないということだ。
 ちゃんとした練習をしていないから、こういう、嘲笑されるような守備を見せることになる。
 守備を課題にされていたのは、昨日今日ではない。
 準備する期間は、山ほどあった。
 それができていないから、こういう結果になっただけだ。

 この試合で、矢野監督が退陣する。
 4年間、3−2−2−3位と Aクラスを続けた実績は、評価してもいいかもしれない。
 「誰かを喜ばす。」「超積極的」を掲げてスタートした矢野阪神。
 「超積極的」野球は、タイガースの走塁を向上させ、盗塁数はセ界でダントツの数を記録する。
 ファンサービスも、以前より格段とよくなり、矢野監督を筆頭にファンの声援に反応し、サインも気軽に応じてくれるようになった。
 これは、矢野監督が残した大きな遺産でもある。

 元々、その人気に胡座を書いて、タカビーなところがあり、ファンがサインを求めても無視を決め込む選手が多かった。
 当時、パリーグの選手は、地域密着の政策とファン獲得でセリーグを追い越せという目標のため、そういうファンサービスに長けていていた。
 また、外国人選手も、向こうの風習か、ファンを大事にするという意識が当然として刷り込まれており、その辺のサービスは高かった。
 タイガースとかジャイアンツの選手は、声をかけても無視、サインを求めてもソッポを向いていると良く言われていた。
 選手にすれば、練習とか試合とかに集中したいからという言い分もあるのかもしれない。
 それでも、そういうサービスで、ファンに喜んでもらえる、そういう喜びを与えられるのも、自分達がプロ野球の選手なんだから、そういうファンのおかげで、プロ野球という興行が成り立っている、そういうファンを大事にしなくてはいけないという矢野監督の意識が、タイガースの選手にも浸透していった。
 これは、我々ファンにとって、矢野タイガースで一番良かったことだ。

 ただ、「誰かを喜ばす。」この、誰かが、ファンだとすれば、そのファンを一番喜ばす、優勝というタイトルが一度もなかったのが残念だ。
 一番のファンサービスは、勝つことだ。
 そういう言葉は、いつの時代でもある。
 それは、勝つ喜び、優勝の歓喜を選手共々味わえる、共有できることが、一番のファン冥利に尽きるっていうことなんだ。

 そこの部分で、矢野阪神は大きく期待を裏切った。
 全て、 Aクラスであったが、1位だけにはならなかった。
 「イチにかける」というスローガンは、「イチが欠ける」になってしまった。
 タイガースは、勝つために最善を尽くしたか?
 もう一度、考え直して欲しい。
 去年の1勝差で優勝を逃したことの悔しさを、本当に感じていたか。
 その差を埋めるための努力を首脳陣共々、怠ってなかったか?

 守備の問題しかり、決定力が不足している打線しかり。
 合格点は、投手陣だけだ。
 この日の青柳のように、最後の意地を見せようと奮闘しているのに、その足を思いっきり引っ張ってしまうような守り。
 青柳は完璧だった。
 サンタナへの四球は、スイングしてるだろうところ、とってもらえない不運もあった。
 あれは、初戦で原口をハーフスイングで取ったのと、全く逆で、なんか意図的なものを感じる。

 まぁ、このクライマックでのタイガースは、ある意味ヒールにされた。
 5割に満たない勝率で、クライマックスに出場したタイガースは、機構側からすれば、一番勝って欲しくないチームだったろう。
 そんなチームが日本シリーズへ出て、間違って日本一にでもなれば、この制度そのものを疑われかねない。
 そんな空気に、機構側である審判が、空気を読んでしまったことがなかったろうか?
 また、ファーストステージで、ファンの「六甲おろし合唱問題」が発生し、タイガースファンのマナーまで言われるようになった。
 そういうファンの行動は、球団になんらかのペナルティを課せ、という声も聞こえ、タイガースは、勝たせたくないチームの位置を確実に確立させてしまった。
 そういう全体の流れが、審判の判定を偏らせたことになったのかもしれない。
 そして、それを跳ね返すだけの力がなかった。

 ただ、「俺たちの野球」が、失敗を恐れない積極的野球ということならいいのだが、今は失敗を反省しない野球になっている。
 最後まで諦めない野球であるはずが、逆転勝ちが少なく、追いつけない、そういう野球に見える。
 また、超積極的も、盗塁数こそ多いが、ここ一番、緊迫した場面では、固まったように動けないことが多く見える。
 そんなんであれば、もう終わりにしよう。

 これから岡田監督が指揮をとる。
 勝つことに執着する采配になることが予測される。
 タイガースの投手力を持って、確実に得点を挙げ、それを守り切るそういう野球を目指すことになるだろう。
 1点をどう取るか。
 1点を取るために何をしたら良いのか。
 それができる選手が使われ、それをおろそかにすれば外される、そういう厳しい面が見られると思う。

 「俺たちの野球」に別れを告げて、「勝つための野球」を始めよう!
 
 ぐぁんばれ!タイガース
| 房 寅吉 | 阪神タイガース | 23:03 | comments(0) | - |