2022.04.06 Wednesday
1−6対横浜DeNA 2人のピッチャーを殺した延長戦負け
一人目のピッチャーは、伊藤将司。
自ら挙げた1点を守って、9回2死まで横浜打線を完封していた。
もう、1点でいいから援護をしてやれれば、間違いなく伊藤将は、この日完封勝利を手にしていたことだろう。
そのチャンスは、あった。
7回裏。
小幡ヒット、伊藤将が送って、近本の内野安打で、1死1、3塁の、バッター中野の場面。
中野は、初球を打って、鋭いあたりであったが、ショートライナーとなってしまい、後続の糸井が倒れて無得点に終わった。
この場面、中野の初級打ちに間違いがなかったのか?
タイガースベンチの作戦、中野の頭の中を考えるに、ファーストランナーの近本が走ってくると考えた相手ピッチャーは、中野に対しして、ストレート系で攻めて、ランナーを刺そうと考えるのではないか。
そうであれば、そのストレートに狙いを絞って、これを叩く。
その考えに間違いはなかった。
案の定、初球にストレートが甘く入ってきて、中野はこれを待ってましたとばかりに叩いた。
結果が、ショートライナーになって不運だったということだろうか。
だが、一方で、ここはちゃんと近本が走って、1死2、3塁のシュチュエーションを作ってからでも、遅くはない。
逆に、そういうシュチュエーションを作ってから、攻撃する方が、ダブルプレーがなくなるだけに、攻撃しやすくなる。
そう考えれば、初球を叩いて、例えばいい当たりがファインセーブされ、ランナーが飛び出して、ゲッツーなんて危険を冒す必要見なくなうる。(結果、いい当たりをファインセーブされたが、ランナーは留まり、ゲッツーにはなってないけど。)
その状態で、中野がゴロを転がし、ゴロゴーのサインでも、スクイズという手もあり、得点できるパターンそのまま残り、ヒットなら2点を追加できる状態にもなる。
ここで、単に中野がストレートに絞って、ヒットを打つ確率を考えるに、その作戦が正解だったとは言えない。
先の読売戦で、サードランナー近本が、佐藤輝の打席で、“当たりゴー”のサインで、ダブルプレーになったことがあった。
もし、ここで中野がストレートに絞って、これを叩くという作戦を取るなら、何故、ランナーにも“当たりゴー”のサインを出していなかったんだろう。
読売戦の失敗に懲りてしまったのか。
または、反省して、ゴロゴーのサインを出していたのか?
まぁ、当たりゴーなら、その場でゲッツーだったのだからよかったが、なんか作戦の一貫性を感じられなかった。
このところ、足を使った、「超積極的」な野球を掲げていた矢野采配に、その「超積極的」な側面を全然見ることができなくなっている。
今は、「超消極的」野球になっているんじゃないだろうか。
結局、それが伊藤将を見殺しにして、」この試合の勝ち投手にできなかった。
2年目のジンクスに陥るピッチャーって、結局こういうところから始まる。
好投しても、援護に恵まれず、勝ちがつかない、そのうちに勝ちを焦って、自分の調子を狂わせていく。
そうならないためにも、早いうちに勝ちをつけてやらねばならなかったのに、今後の伊藤将が変なジンクスに陥らないことを祈るのみだ。
そうして、2人目が延長12回に投げさせた齋藤 友貴哉。
まぁ、開幕戦で、結果齋藤 友貴哉の投入が今の事態を招いたと、戦犯扱いされてきた齋藤 友貴哉にとって、この場面がいかに酷であるか。
結果、抑えれば良いが、ここで再び同じことを繰り返せば、齋藤 友貴哉は、開幕戦がトラウマで、イップス状態になりかねない。
ここで残っていたピッチャーは、齋藤 友貴哉のほか、小野、浜地、アルカンタラ。
寅吉なら、オープン戦から中継ぎで結果を出してきた浜地を選ぶ。
次善がアルカンタラ。
小野と齋藤 友貴哉については、この場面でストライクが入らないという状態に陥る危険性があるので、選びづらい。
だが、矢野監督は齋藤 友貴哉を選択した。
確かに、球威そのものを見るに、抑えもできる可能性を秘めているようにも見える。
そのため、開幕戦でもあの場面齋藤 友貴哉を投げさせたのだろう。
だが、それは失敗している。
それを経験として生かすか、その失敗を引きずるか、それは齋藤 友貴哉本人次第なんだが、どうも後者であったらしい。
その前に、齋藤 友貴哉にそういう場面で投げさせるような使い方をキャンプ、オープン戦でしてきたのかということだ。
2軍キャンプで過ごした齋藤 友貴哉は、その調子を買われて、オープン戦から1軍帯同となった。
この時期、結果を出していたのは、小野、浜地、湯浅であり、小野は最後のオリックス戦でコントロールを乱し、修正が効かないことを露呈して、勝ちパターンを外される。
齋藤 友貴哉は、この時期同じく2軍から上がってきた小林と1軍枠を争う状況。
結局、齋藤 友貴哉が残り、小林が2軍となった。
寅吉的には、去年の経験を買って、小林を選んだと思う。
故に、開幕戦のあの場面の齋藤 友貴哉には、少し疑問が残っている。
寅吉なら、あそこで湯浅を使っておく。
結果は、同じかもしれないが、そこまでの、オープン戦の結果からして、湯浅が中継ぎのキーになり、開幕戦で早く経験させておく方が、その後のためになる。
齋藤 友貴哉の起用は、あくまでもスワローズを舐めきていただけで、5点あれば齋藤 友貴哉でも大丈夫じゃね的な発想以外に考えられなかった。
とても、今シーズン齋藤 友貴哉を勝ちパターンの一角で起用していこうという意志の現れではないように思えたし、そうであればその後の起用もそれを貫くべきだったと思うが、勝ちパターの一角を期待しているのは湯浅であることを言っていた。
その齋藤 友貴哉は、この場面で、再び開幕戦の悪夢を繰り返してしまった。
開幕戦の解説の岩田稔氏が言っていたが、齋藤 友貴哉は、かなりの緊張しいらしい。
開幕戦でのピッチング(それ自体は、よくあろとだが、その後逆転負けしたために、その流れを変えるピッチングと戦犯扱いされた)のことを引き摺る中、この場面はあまりにも酷だった。
降板後、ベンチで岩崎に慰められている齋藤 友貴哉の顔は青ざめ、目にはうっすら涙も浮かぶような状態だった。
多分、今シーズンは、もう無理かもしれない。
願わくば、これが引き金で、イップスとかならんで欲しい。
その素質が、こういう風に消されていくのは忍びない。
まだまだ、タイガースの試練は続く。
この試合を勝つと、勢いに乗れたものの、そうは行かなくなった。
また、抑えの不在という側面を抱えながら、試行錯誤が続くのだろう。
トンネルの出口は、まだ先だ。
ぐぁんばれ!タイガース
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