2020.08.21 Friday
7−4 対東京ヤクルト 藤浪は、復活するのでなく、進化を目指せ!
藤浪に692日ぶりの白星がついた。
692という数字にあまり意味はない。
今季の登板でも、そのほとんどは勝ちに繋がっても良いものだった。
ただ、藤浪自信が勝っていないことに対する意識が過剰であり、周りもそうであった。
こんなことで喜んでいてもらっては困る。
世が世なら、藤浪は侍のエースとして投げなくてはいけない存在なのだ。
タイガースの優勝も日本一も、藤浪がエースとして君臨してこそ、為せる技だと信じている。
この日も、4点の先行をもらった後、エスコバーの内野安打。
上本も追いついたが、1塁送球が心許なかった。あそこでアウトにできてこそのセカンドの見せ場。
どうもこういう際のプレーにタイガースは弱い。
続く山崎が送りバント。
藤浪の送球への不安を知る梅野は、極力自分が処理をしようと前へ出る。
その梅野にお誂え向きのバントが、梅野を逆に焦らせた。
2塁への送球が高く、ランナーを生かして無死1、2塁のピンチ。
続く田代も送りバント。
これは、藤浪への打球で、藤浪が慎重にサイドスローで1塁へ送球。
ボーアが伸びて獲って、なんとかアウトを一つ。
ここでも、藤浪はサードへの送球は鼻から諦め、ファーストへのアウトを狙った。
このバント処理での送球の不安が拭えないと、同じようなピンチをこれからも招くことになる。
タイガースの守りも綻びが多い。
上本、梅野の送球。
どちらかでもアウトにしていれば、ピンチは広がらないし、招かずに済んだ。
挙句、次の西田を三振に獲った球を梅野がパスボールで振り逃げを許し、1点を返される。
次のピッチャーの吉田は、やはりバント攻撃。
藤浪のバント処理の危なさを知っている相手は、こういう攻め方をこれからもしてくるだろう。
藤浪は、ファーストへの送球の不安から、間に合わないタッチプレーになるホームへトスを送り、全てをセーフにしてしまう。
これで2点差。
坂口にはストレートの四球で満塁。
完全に藤浪が大きく崩れるパターンにハマっていた。
ここで宮本が、ピッチャーへのバント攻撃で追加点を狙ってきたら、どう転んだかわからなかった。
1死満塁ということで、外野フライと考えた宮本が初球を打ち上げてくれたので助かった。
ここでバントされれば、藤浪の送球がそれて、フォースプレーでもセーフになる可能性もあり、まして慎重な送球をする藤浪にダブルプレーを取れるだけの送球を投げることは、まずできない。
自分が宮本なら、藤浪に取らせるセーフティ気味のバントを仕掛けるのだが。
これで、次の青木も外野フライ(危なかったが、珍しく糸井がチャージしてキャッチ)で、このピンチを2点で凌いだ。
ここが、この日の勝ち星の分かれ目であったろう。
ただ、言えることは、この日のスワローズの攻め方の甘さで助かった勝ち星でもあると言われる。
これで藤浪が復活したなどと浮かれていてはいけない。
これからの対戦で、無死からでも足の速いバッターは、藤浪にセーフティバントで攻めてくることも予想される。
ランナーが出たら、すかさずベント攻撃だろう。
それを処理して、確実にアウトにしていけば、これほど楽なことはない。
それに気づいて、バントしてくれれば「ごっつぁん!」というくらいに思えるようにならないといけない。
そういう心理状態に持っていけるよう練習を重ね、不安を払拭してこそ、藤浪は復活し、更なる進化を遂げるのだろう。
今は、まだその過程にすぎない。
3回にエスコバーを併殺にとった際の2塁送球なんかは、あまり余計なことを考えず、自然にできた送球に見えた。
ああいうふうに、余計な邪念を抱かず、普通に処理できるように、毎日練習すればいい。
なんと言っても、数をこなさにゃ、自信はつかないからな。
後は、タイガースのバックがしっかり守ることだ。
これも投手力のチームという割に守りの破綻が多すぎる。
これも日頃の練習から、実戦を想定していかにできるか、考えながらやらなくてはいけない。
ダメだったときは、立ち止まって何がダメなのか、どうすればいいのかを確認し、反復練習に移らないと、通り一遍の練習では、練習のための練習に過ぎない、効果は見込めない。
藤浪もタイガースも、この勝ち星に浮かれることなく、進化を目指さなくてはいけない。
ぐぁんばれ!タイガース
|