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自分を計る力
 ノリがどうやら自由契約の方向へ動くみたいだ。
 一時(あの03年の優勝の前年オフ)は、タイガースも獲得に動いた選手だけに、残念でもあり、そのときに断られたことを思うと、獲得できなくてよかったなぁと感慨にふける部分もある。
 
 思えばあのときが絶頂で、「FAを楽しみたい。」とか言って、散々関係者を振り回し、挙句決まりかけたメッツをドタキャン。結局、高額年俸を条件にモトサヤで近鉄に残留。
 その後近鉄の合併騒動の後、オリックスとなったバファローズには、いられないといって、メジャーへ。
 ここでも結局マイナー落ちし、メジャーに上がれなかったのは人種差別のせいとかいって、戻ってきてしまった。
 その時、どこにも声をかけられない状況から、故仰木監督の計らいで、オリックスに復帰。今日に至る。

 こうしてみると、先人の新庄とは偉く状況が違ってるよね。
 国内の高額オファーより、最低年俸での契約でメッツへ。
 日本人で初めてメジャーでHRを放ち、四番を打ち、ワールドシリーズに出てヒットを放つ。
 トレードも経験。マイナー落ちも経験。ノリじゃないけど、人種差別に近い扱いで、マイナーで過ごす経験もした。
 日本に戻るときも、数あるオファーから、新天地である北海道にフランチャイズを移したファイターズを選び、パリーグ、プロ野球を盛り上げるため活躍。
 結果、昨年のような絵に描いたような花道を飾る。

 多分、ノリは自分を計る力が無かったのだろう。
 今回の騒動でも、これほどファンから反感が多いのも察知できなかった。オリックスの8千万の提示に込められたメッセージを読み取れなかった。
 そういうことなんだ。
 最盛期に、近鉄が示した条件、扱いが、自分の価値立だと信じきっていたんだろう。ある意味、かわいそうな選手だったかも知れない。

 かって、タイガースにも平尾とか高波といった将来を嘱望された選手がいた。
 高波など野村監督が就任時に、こんないいトップバッター候補がいる。飯田以上の素材とまで言われた選手であった。
 しかし、彼らはどちらも、いまタイガースにはいない。
 高波も平尾も、高校時代はスラッガーで鳴らした選手だ。平尾など当時の高校生としてのHR記録かなんかも残していたほどであった。
 プロで生きていくため、傍から見ていて、1,2番バッター、脇役としての適正を見出しているのだが、自分の中では、スラッガーとしての自分を捨てきれない。それまで生きた来た成功の歴史が、プロでもクリーナップ、あわよくばスラッガーとしてやっていける、そう告げているようにしか感じない。頭では理解できても、気持ちが言うことを聞かない。
 そうして、彼らはポジションを失い、タイガースを出て、レギュラーと無縁の選手となった。
 これなんかも自分を計れなかった結果だろう。
 (藤本を見てると、高波や平尾を思い出すのは、寅吉だけかな?)

 プロで生きていくため、自分の評価を適正に見極める力は必須だ。
 これを誤ると、今回のノリのように自分のいるべき場所も失いかねない。
 と、ノリのことを言いつつ、本当は藤本を激励してるんだけど・・・。
 年明けの更新1号は、やっぱり藤本の話題からスタートしてしまった。

 ここのところオフモードで更新が少なく申し訳ございません。
 キャンプインに向けて、徐々にペースを上げていくつもりです。
 今年もよろしくお願いいたします。

 ぐぁんばれ!タイガース
| 房 寅吉 | - | 18:57 | comments(0) | trackbacks(1) |