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4−2 対讀賣 追悼試合・横田慎太郎
 横田慎太郎選手の追悼試合。
 大山が、岩貞が、岩崎が、梅野が、それぞれの思いを持って、勝ち試合を届けた。
 横田とプレーを同じくした選手も、そうでない、近本や中野、森下でさえ、その思いを共有して、勝ちに貢献した。

 横田慎太郎、超変革の申し子。
 金本タイガースの元年、開幕戦、高山、横田と並ぶ、1、2番に胸が高鳴った。
 本当に、タイガースが生まれ変わる、そういう姿を見せてくれた。
 横田が躍動すると、近い将来に、タイガースは、横田中心のチームになる、そう予感させた。
 そのポテンシャルに何度もトリプル・スリーを達成する、そう確信させた。
 
 その横田が、キャンプの途中で姿を消した。
 キャンプで、ハードル跨ぎが上手くできず、みんなにいじられている様子の映像を見て、単に不器用なのかと思っていた。
 それが、その後、突然帰阪し、キャンプを離脱した。
 思えば、その時も病魔の影響であったのかもしれない。

 その後、横田の情報は途絶えた。
 色々な憶測が飛んだが、それはそれだけ注目されている選手の証拠でもある。
 横田の病気の発表があったのは、シーズンが終盤に差し掛かった頃。
 誰もが唖然とした。
 と同時に、復帰を祈り、願い続けた。

 その願いは、叶わなかった。
 結局、視力が戻らず、24歳の若さで現役引退。
 その2軍での引退試合で見せた「奇跡のバックホーム」は、強烈な記憶として残った。
 その横田が、28歳の若さで亡くなった。
 
 あの時描いた、タイガースの輝かしい未来の中心にいた、横田慎太郎。
 その未来を奪われた無念さ、野球ができない辛さ、それは、残されている選手へ、野球ができるありがたさを再確認させてくれる。
 今、当たり前のように野球をし、試合をしている事が、決して当たり前ではないのだ。

 横田から始まった超変革の芽は、今、近本、大山、佐藤輝など、生え抜きで固めるタイガースに確実に芽吹いている。
 この試合も、近本が先頭で出て、佐藤輝のタイムリーで帰り、ヒットで出た森下を大山が逆転となるホームランで還した。
 みんな、横田に勝利を届ける、そういう思いが打たせたと言う。
 横田が、打球を押してくれたと言う。

 そういう横田に最高の報告ができるよう、今野球ができることの感謝を忘れず、最後の目標‘アレ’に向かって、ここからが踏ん張りどころだ。
 
 いつも、勝利に向かって、前のめりで、時には、つんのめりそうになっても、前へ、前へと進もうとした、そんな横田の姿勢を受け継ぎ、勝利に突き進むタイガースであってくれ。
 それが、一番の横田への弔いになるはずだから。
  
 ぐぁんばれ!タイガース
| 房 寅吉 | 阪神タイガース | 23:15 | comments(0) | - |