完全な悪循環の中にはまり込んでしまった。
　交流戦前貯金が２桁になって、定期預金に入れたはず。
　交流戦も出だし順調で、貯金も１４まで増え、定期預金は万全に保護されていくはずだった。
　その歯車が、石井大智の離脱から狂い始める。
　その後、この日の敗戦で５連敗となり、ついに定期預金を切り崩さないといけない状態になってしまった。

　この試合も、豊田の先制の２点タイムリー、１点返されると、中野のタイムリー内野安打で、２点のリードを持って終盤へ。
　先発の大竹を５回で見切って、６回を湯浅に繋ぐ。
　湯浅の調子も戻っておらず、ストレートのキレ、球威がなく、縦スラに頼るピッチング。
　浅村、宗山に打たれて、２、３塁のピンチを作るも、なんとか辰巳を打ち取って、無失点。
　ただ、この湯浅のピッチングを見て、タイガースのリードがどこまで保てるか、不安になる。

　７回は、湯浅とヘロヘロ・コンビ結成中の桐敷の登板。
　前回の登板で敗戦を喫し、そこから連敗が始まる、そのきっかけとなるピッチングをした桐敷を敢えてここで持ってきた。
　まぁ、桐敷の状態が良く、前回がたまたまの不運であれば、早いうちに取り返させるのも一つの方法だが、前回の桐敷は打たれるべくして打たれている。
　ボールのキレも球威もない状態だっただけに、ここでの登板は不安でしかない。

　早速、先頭の中島に２ベースを打たれピンチを迎える。
　次の鈴木大地には四球で、無死１、２塁とピンチを拡大する。
　ここで村林となる場面。
　この試合、リードの２点を守り切って勝とうと思うなら、ここで桐敷を見切るべきだったろう。
　球威もキレもない、ヘロヘロ状態の桐敷は、自信も失っており、ここを抑える術がない。
　ここで一番頼りになる及川を投入するか、右の村林だから、漆原かネルソンという手もある。
　誰にしても、桐敷より抑える確率は高いと思う。

　それでも、中継ぎの登板過多が言われている。
　それで躊躇したのかわからないが、及川は、投げられる状態であった。
　この試合をどうしても取りに行くには、及川しかないと思った。
　ここまで、球児監督は、ある意味万全を喫して勝ちに行くのか、中継ぎを、ヤバいと思えば、イニングの途中であってもすぐに代えて来た。
　それが、中継ぎの登板過多につながっており、桐敷や湯、及川を疲弊させてきた面は否定できない。
　中には、そのまま続投させても良かった場面はあったと思うが、それでも目先の勝利を優先し、万全を期した。
　それが、ここへ来ての足枷になっているとすれば、皮肉なことでもある。

　結局、村林にタイムリーを浴び、小深田の送りバントをエラーで満塁、浅村に同点のタイムリーを喫して、１死も取れず、同点に追いつかれる。
　ここでやっと、ネルソンへスイッチ。
　ネルソンは、犠牲フライで逆転を許すが、後続を打ち取って、１点差で凌いだだけに、もっと早くにスイッチしておくべきだったと思えた。
　そして、逆転を許した８回に及川の登板だ。
　ここで出すなら、７回の無死１、２塁のピンチになった時点で、及川を投入すべきだった。
　成功するかどうかではなく、それが勝利へ万全を期すという事になるんじゃないかということだ。

　８回は富田でも、岩貞でもいい。
　出し惜しみをしていては、勝てる試合を落とす事になる。
　そして、９回に漆原。
　ピンチを作りながら、なんとか凌いで、９回の表に糸原は押し出しで同点とした状態を保って延長戦。
　普通10回は岩崎で行くんじゃないか。
　そこを岩貞で行って、サヨナラを食らう事になる。
　ここも出し惜しみ、延長戦は、表のピッチャーはいいピッチャーから順にというセオリーに逆らった。
　ここで出せないほど、岩崎が信用を失っているのか、状態が悪いのか。

　まぁ、中継ぎを思うように注ぎ込めなくなったのは、ここまでの戦い方、起用法のツケでもある。
　今更、取り返しは聞かない。
　ただ、こうして負けが込んでも、依然首位で、2位には、2.５ゲームの差を維持している。
　これが交流戦だ。
　セリーグがみんな負けるから、差が縮まらない。
　これをラッキーとして、これからどういう方法で立て直していくか。
　そこの手腕が問われる事になる。
　球児監督の得意分野、タイガースの心臓部を、なんとか立て直してくれ！
　定期預金に手を出さないように。

　ぐぁんばれ！タイガース