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5x―4 対広島 負けられないやね!
 4試合連続の完封負けのチームを相手に鶴は好投していた。
 こういう時のチーム心理は、無得点のイニングを積み重ねるに従い、いいようのないプレッシャーが段々と重くのしかかる。
 0点の回を続けるたびに、また完封されるんじゃないのか、もう得点を挙げられないんじゃないのか・・、そういう不安にさいなまれる。
 鶴はそのプレッシャーに乗じてピッチングを組み立ててれば良かった。

 しかし、そのカープの不安をタイガースが取り除いてやったとは・・・・。
 浅井のチャージは、しょうがない。たtだ、後ろにだけはそらしてはいけない。
 無死1塁なら、今の広島相手にたいしたピンチじゃない。
 後続をひとりひとり丁寧に討ち取っていくことで、勝手にプレッシャーから凡退してくれるはずだった。
 それを後逸し、無死3塁のピンチとしてしまった。
 ここでの1点は、2点差が1点差に迫る為の1点ではない。
 広島にとっては5試合ぶりに得点をあげるという、画期的な1点になる。それは広島の完封負けという呪縛から開放される1点なのだ。
 これを、バッテリーミスで易々と与えてしまった。
 逆に、ここを無得点に終わらせたら、広島の無得点イニングは永遠と続いていたかも知れない。
 もちろん、岩本の同点HRもなかったことだろう。

 しかし、ここで得点を挙げてからは、前半と逆にカープ・ペースの試合となった。
 中継ぎの林・大島にタイガースは苦しみ。久保田・球児と言うリレーを見せるも、攻撃が封じられ延長に突入。
 タイガースとしては、勝ちパターンのリレーを使い切ってしまい、延長戦のPは,不安一杯の安藤に託さざる得なくなっていた。
 これは、序盤での役割未確定のまま、西村や渡辺を使い続けてしまったツケが廻ったとでもいうことができる。
 案の定、安藤はキレもコントロールも無く、自信なさ気に置きに行く球を痛打され、広島に2点を献上、勝ち越された。

 ただ、この勝ち越しが、逆にカープを敗戦へと導くものだったとは・・・。
 抑えのPを欠く広島にとって、好投の大島に代打を出した手前、10回の裏は、上野に託さざる得なくなる不安一杯の継投。
 大島に苦しんでいたタイガースにとって、大島が代わってくれるのはありがたい。
 しかも、速球派の右の上野に、速球に強い林を使える。
 その林が先頭で、1点差に迫る今季1号を放った時点で、タイガースはこの試合は、「負けられない、負けない。」っていう気持ちになったことだろう。そういう勇気を与える一発だった。

 続くセッキーがしぶとく右打ちで繋ぐ。
 ホント、セッキーは、いまや右の代打の切る札だと思う。左の林と、左右の代打の切り札を任せていいよね。
 ここで、今日ノー感じの鳥谷。
 真弓監督のことだから、送りバントなんてことするんじゃないかと、ドキドキしていた。
 さすがにここでバントはなく、サインは「打て」
 速球派の上野に左のトリのバッティングは合う。
 「打て」のサインで雑念が無くなったトリのバットは外角のストレートに綺麗に反応する。
 逆転サヨナラHR。

 ミスで広島にチャンスを与えてしまった試合。
 相手のエース・マエケンを避けた試合。
 負けられないやね。

 あっ、藤原君、プロ初勝利おめでとう!
 これからも頑張ってや。

 ぐぁんばれ!タイガース
| 房 寅吉 | - | 22:40 | comments(0) | - |